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黒木 カニさん元気?改革・改革で忙しいね。こちらはこの改革の
| 嵐に吹き飛ばされないように、連日、会議と書類書きで頑張ってい
| ます。事務の人にも同情されて、会議専用のノートパソコンを買っ
| てもらいました。
| ところで、また雑用を増やしたんだって...。
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蟹江 人聞きがわるいな。雑用じゃなくて、インターネットで教育
| を語るというまともな仕事さ。外交係りを信用しなさいよ。
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中馬 僕もe-mailはできるから、忙しいけど、頑張りましょう。
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蟹江 僕ら3人とも受けた教育は数学者養成用だったけど、数学者
| として教員養成の教育学部に勤めていて、小・中・高校の算数・数
| 11 | 学の教師を育成してきているわけです。数年前からトスム(TOSM,
| Teaching Of School Mathematics)というグループを作って、算数・
| 数学教育だけでなく、教育問題全般に関心を持ち続けてきたと思っ
| ています。
| この頃、教育改革の論議が盛んで、いろいろ言う人も多いけど、
| 聴いていると腹が立ってきます。現実を踏まえない、傍観者の発言
| なんだな。文部省や学校は何もしてない、と言ってる大学の教官を
| 見ると、どこの大学?って訊きたくなる。文部省は矢継ぎ早に改革
| をしています。やっていないんじゃなくて、やりすぎなんだ。無原
| 則というか、哲学が感じられない。圧力をかける政治家も事態が分
| 21 | かっているわけじゃないから、その場しのぎの矛盾した政策になっ
| て跳ね返ってくる。悪の根源は大学入試で、だから大学のせいで教
| 育がゆがむだのと言われながら、実際はほとんどの矛盾を大学が吸
| 収して、教育システムの形を保ってるんだよね。それをさ...
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中馬 まま、その辺で。
| 岐阜大学の中馬です。「ちゅうまん」と読みます。高校の教師を
| 振り出しに教職歴34年、岐阜大学に赴任して22年ほどになります。
| 最近はローガイと言われないようにしています。
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蟹江 (ごめん。落ち着くよ。)
| しばらくは、教員養成という立場から、教育問題の過去・現在・
| 31 | 未来を考えます。最初は、教育学部での教員養成システムの話を
| します。黒木さんの言っていた教育学部改革の嵐は、教育学部だけ
| に留まらない大変な問題です。そうした問題を、日本全体の教育と
| いう視点で話し合っていきましょう。
| 中馬 では私から。
| 教育学部では小学校だけでなく中学・高校の教師の養成も行いま
| す。ここで学ぶ数学が高校までの内容だと思う人もいるようですが、
| とんでもない話ですね。そんな数学自体の勉強以外に、算数・数学
| の指導法もしっかり学んでいるのです。
| 岐阜では、県が教員には小・中一種免許の取得を要望しています。
| 41 | 事実、小・中で人事の交流がさかんに行われています。岐阜大学で
| は、小・中の課程はありますが入学時から区別なしです。必然的に
| 教職関係の履修すべき単位が多くなるのです。実習が小で4週間、
| 中で3週間、また実習の前後には1週間ずつの事前・事後指導、他
| にも僻地・遠隔地での地方実習等です。小学校の免許取得には数・
| 国・理・社など8つの教科専門と教育法の単位がそれぞれ要ります。
| 小学校での教員配置も、各教科の専門家が学校・学年単位でうま
| く配分されるように考えられています。そして各先生が自分の専門
| を他教科の先生に指導する研究会が毎週のように開かれています。
| 教師はお互いに協力しあって勉強しています。そこに教育学部での
| 51 | 専門教育が生きているのです。
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蟹江 大学によって多少は違うけど、教育学部の学生はほとんど、
| 小・中両方の免許を取得して卒業してる。小学校の内容だって教え
| るとなればやさしくないし、ある程度専門的に勉強しないと無理じ
| ゃないかな。中学校の教師でも、小学校で何をどう教えているかは
| やはり知っているべきだし。
| それでも「教育学部以外でも教員は作れるし、その方がいいのだ」
| という人がいるんだね。
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| 黒木 福井大学の黒木です。私もついでに言えば、「くろぎ」と読
| みます。私の育った九州の宮崎では多い姓です。名古屋大学の理学
| 61 | 部につとめ、福井の教育学部にきて、もう長くなりました。教育現
| 場での研究会には毎年つきあっています。数学者よりも教師とのつ
| きあいが多いですね。
| 蟹江くんの話だけど、要は、教員を養成することの中身の問題で
| しょうね。免許取得の違いを見れば分かりやすいでしょう。
| 教職関係の必要な単位をとれば、教育学部でなくても教員免許は
| 取れます。高校教員はこれが普通のコースです。これがいい意味で
| 機能していた時代もありましたが、高校全入に近い今日ではどうで
| しょう。教職関係の科目は、教員養成のプログラムの中で初めて意
| 味があるんですよね。また,実践的な力量形成といった面ではかな
| 71 | り差があります。教育学部なら、附属学校の教員と協力して、教育
| 実習に行く前と後の指導を系統的にやっています。私も事前の模擬
| 授業を担当してますよ。今の学生をみていると、こういうことは必
| 要だという気がしますね。
| また、「専門学部の出身者の方が教育学部出身者よりいい」とい
| う言い方には、誤解があると思います。専門教科に対する広さや深
| さという点で比較されたり、出身学部の気風の違いを教師としての
| 力量の違いとして受けとられかねない言い方です。目的に対してき
| ちんとしつけられたか、自由放任で育ったかの違いからくる気風の
| 違いは確かにありますけど。両学部に身を置いた者からみて教育学
| 81 | 部の学生は真面目すぎますが、中馬さんの言うようにカリキュラム
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